梅ちゃん先生のティールーム

 この春から、新連載「梅ちゃん先生のティールーム」を始めます。元参院議員で厚生労働省政務官を務めた梅村聡さんが医療界の著名人と対談し、今だから言える本音トークをを繰り広げます。時に相手のプライベートにも触れ、かしこまったインタビューでは聞けないようなオモシロ話をお届けしていきます。

 

 対談で最も面白かったと編集部が思った部分は、会員の皆様に隔月でお届けしている会報誌に掲載してお届けします。続きを読みたいという方、ぜひパブリックプレスへのご入会をお待ちしております

 

 [司会] 代表理事・熊田梨恵

 

2014年

12月

12日

梅ちゃん先生のティールーム第2回~井上清成・弁護士⑤「解決」までが医療

右から梅村聡氏、井上清成氏、熊田
右から梅村聡氏、井上清成氏、熊田

梅村:先生とお話ししていて気付いたのですが、先生はもちろん裁判などで医師を守る場面もあるとは思うのですが、結構斜めから見てはるんですよ。例えば医療事故調の議論の中で「自分たちで解決していくプロセスも含めて医療なんだ」ということをおっしゃってますよね。そのプロセスをつくって医療界に内包していかないと、本当の意味では国民から信頼されない。それが本当の意味で医師を守ることになると。「医療というのは治す作業だけだ」と言って殻に閉じこもっちゃうと医療のレベルは落ちるし、国民からの信頼は無くなる、という思いで活動されていると僕は思いました。


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2014年

11月

05日

梅ちゃん先生のティールーム第2回~井上清成・弁護士④“萎縮医療”で損するのは国民

井上清成弁護士(左)と梅村聡氏
井上清成弁護士(左)と梅村聡氏

梅村:僕が市中病院で働いていた時に、医療ミスを起こして、訴えられた医師がいるんです。この話には、医師として割り切れない思いが残っています。彼は外来に来た患者さんに一定の処置をして返したのですが、その方が帰宅途中に亡くなってしまったんです。全く別の原因で亡くなったのですが、僕らからしても、普通の診療では分かり得ないようなことが原因でした。それが裁判になって、その内容を鑑定した医師は「分かったはずだ」と言うんですね。でもそれは結果を知ってるから言えるような内容で、僕らは「後からだったら何とでも言える」と思ってました。後出しじゃんけんで鑑定されたら、絶対に負けるわけですよ。


熊田:それは腑に落ちませんね。


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2014年

10月

28日

梅ちゃん先生のティールーム第2回~井上清成・弁護士③“教育崩壊”と“医療崩壊”の構造は同じ

梅村聡氏
梅村聡氏

梅村:弁護士になられて、最初は勤めておられたんですよね。


井上:最初は事務所に所属して、3年ぐらいで出ました。それから九段下で事務所を持って、その後こっちに。


梅村:やっぱり自立心が旺盛やったわけですね。医療の分野を本格的にやり出したのは、弁護士になって何年目ぐらいからですか。


井上:弁護士になって10年から15年ぐらいですね。


梅村:そんな最近なんですね。


井上:皆さんにそう言われるんだけど、弁護士が医療の世界にどっぷりという形でやり出したのは、最近なんですよ。なぜかというと、色々な医療バッシングが起き始めましたのは1999年頃からでしょう。


梅村:持ちかけられるようになった話は、医者と患者さんとのトラブルとかですか?


井上:そう、少しずつ医療事故やクレームの話が増えてきました。世の中変わってきたんだ、そういやそうだねと思ったわけです。


熊田:そうだね、というのは?

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2014年

9月

18日

梅ちゃん先生のティールーム第2回~井上清成・弁護士②子ども心に見た警察組織の裏側

井上清成弁護士
井上清成弁護士

梅村:権力側の動きが分かってきたわけですよね。

 

井上:そうそう。例えば刑事告訴ってあるじゃないですか。告訴は「受付係」なんていうのがあるんですよ。「聴訴」なんて言葉書くんですが、「告訴の受付係の仕事は告訴を受け付けないことである」という考え方です。つまり、「こんなつまらない告訴は受け付けない、はじく」ということですね。彼らからしてみれば「最近の若い警察官はだらしない。告訴を受け付けてしまうから、やらなきゃいかん。そんなばかな事件やってけしからん」というわけですよ。

 

梅村:今の時代やったら、えらい話ですよね。

 

井上:こういう洗礼を昔に受けてるわけです。それで俺は「じゃあとっつぁんね、自分でえん罪作っちゃうだろ」と言ったら「俺はえん罪を出したことはない」と。どうしてかと聞いたら「全部自白させるからえん罪も何もない。きちんと調書を作るんだから。がちがちに固めとけばいいんだ。そうすれば無罪なんだ」とね。「弁護士なんかばかだから、法廷に出て色々言われたことあるけれども、そんなもんで無罪なんて出るわけねえ。弁護士なんてあほなんだ」と言うのを聞いて育ったわけですよ。警察官から見たら弁護士は敵だから。

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2014年

9月

15日

梅ちゃん先生のティールーム第2回~井上清成・弁護士①警視庁管内で公安担当だった父の影響で弁護士に

右から梅村聡氏、井上清成氏、熊田
右から梅村聡氏、井上清成氏、熊田

梅村:井上先生、こんにちは。先生とはいろんなところでしょっちゅうお会いさせて頂いているんですけども、今日はよろしくお願いいたします。

 

井上:こちらこそ、よろしくお願いします。

 

梅村:この対談の2回目を先生にお願いしたのは、もともと僕が医療の世界から政治に出てくるきっかけが福島県立大野病院事件(※)だったんです。政治家の方と出会ってこの事件について意見交換をしているうちに、選挙に出るように勧められたという経緯がありました。

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2014年

7月

29日

梅ちゃん先生のティールーム第1回~宋美玄・産婦人科医⑥政治家復帰のための準備期間

左から梅村聡さん、熊田、宋美玄さんと娘の真美ちゃん
左から梅村聡さん、熊田、宋美玄さんと娘の真美ちゃん

宋:梅村君はこれからどうするん? 政治家に戻るんやろ?

 

梅村:そのつもりで今は色々あちこちで勉強させてもらってるよ。ちょっと話は変わるけど、医者で政治家になりたいという人は結構多いんです。僕のところにも色々相談に来られるんですけど、彼らの多くは、今の職場でうまくいかないとか、今やっていることに行き詰まりを感じているんです。それで新たな道ということで政治の世界に来ようとしているんです。

 

司会:そんな“青い鳥症候群”のような…。

 

宋:ある意味、環境をリセットしたいんやな。

 

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2014年

6月

20日

梅ちゃん先生のティールーム第1回~宋美玄・産婦人科医⑤「ガスケアプローチを広げたい」

宋:話は変わるけど、舛添さんは梅村君のことを評価していたよ。

 

梅村:どこで会うたの?

 

宋:私、去年の参院選前に政治の話をするテレビ番組に出たんだけど、その時に舛添さんと雑談をしてて。「ドクターからは舛添さんが厚生労働大臣の時のこと、評価されていますよ」とか話してた時に、何かの話題でそうなった。「彼はすごくやってるよね」みたいなこと言っていた。

 

梅村:それはそれは、有り難いです。あの頃は都知事になられるとは思わへんかったからね。

 

宋:その時、舛添さんがちょうど政界を引退されるというような話が出ていて、「ぜひまた出てきてください」と話したわ。

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2014年

6月

09日

梅ちゃん先生のティールーム第1回~宋美玄・産婦人科医④国民目線のない国会議員

梅村:「そもそもベビーシッターに預けたりするのはけしからん」みたいな意見はあった?

 

宋:子育て中の女性芸能人が「知らない人に預けるなんて信じられない」みたいなことをテレビ番組中で発言してて、ネットで炎上してたわ。

 

司会:「子どもを預けるなんて、そんな母親はダメだ」みたいなことをブログで書いていた政治家もいましたね。一般市民からは反発を買ってましたけど。

 

梅村:ただね、それは表に出て言うからネットで拡散しているだけで、国会議員の中にも、記者に話を聞かれていないクローズドな場やったらそういうことを言う人はいっぱいいるんですよ。

 

司会:どういうことですか?

 

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2014年

5月

18日

梅ちゃん先生のティールーム第1回~宋美玄・産婦人科医③「労働」が守る女性の地位

司会:宋先生、確か今日の取材では真美ちゃんを預かってもらってから来られる、と仰っていたような……。今日真美ちゃんがご一緒なのは、ベビーシッターさんの予約がいっぱいで、預かってもらえなかったとかですか?

 

宋:今日みたいな土曜日は保育園に別料金で預かってもらえるんですけど、予約を取るのを忘れちゃってたんですよ。前もって予約していないと枠が少ないからね。

 

司会:やっぱり育てながら働くのって難しいですよね。こうして預かってもらえない時もあって。

 

宋:うちは無認可の保育園に行ってて、融通が利きやすいところなので、助かってる方なんですけどね。

 

司会:ちょうど先日、ベビーシッターの問題(※)が報道されてましたね。中には、ベビーシッターに長時間預けていると働いてもらえるお金以上に保育料がかかってしまうという人の話も聞きます。働くよりも家にいた方が、お金がかからなかったりすることもあるとか。

 
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2014年

5月

07日

梅ちゃん先生のティールーム第1回~宋美玄・産婦人科医②「性」という医療の“空白”を取り上げたかった

産婦人科医の宋美玄さんと娘の真美ちゃん
産婦人科医の宋美玄さんと娘の真美ちゃん

■医者は「性」について習わない

 

梅村:本の出版やテレビ出演とか、これはどういうきっかけや思いで始めはったことなん?

 

宋:医療関係の相談を専門家が答えるというSNSのページがあって、そこで医療に関する一般の人の生の匿名の声に触れたんだけど、自分の前で患者さんが反応していることと全然違ったりとかするわけよね。当時、大野病院の医療事故(※)もあったけど、やっぱり一般の人たちの反応を見ると、医者に聖職者的なことを求めていたり、医療に完全を求めていたりする人たちもいた。「主治医にこんなこと言われたけど、おかしくないですか?」みたいな感じでね。もちろん、それも正直な気持ちだとは思うよ。でも、目の前の患者さん一人一人とお話をするだけじゃなくて、医療を受ける人の意識も変えないと、両者にとって良くないなと思って。それで最初は匿名でSNSやブログで、思っていることを発信するようになって、最初にそれを熊田さんが拾ってくれて。

 

(※大野病院の医療事故…2004年に福島県立大野病院で妊婦が帝王切開手術中に死亡。06年に執刀医の産婦人科医が逮捕、起訴され、08年に無罪となった事件)

 

司会:「妊娠の心得11か条」ですね。懐かしい。

 

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2014年

4月

28日

梅ちゃん先生のティールーム第1回~宋美玄・産婦人科医①同級生だった! 梅村聡と宋美玄!

宋美玄さん(左)と梅村聡さん(右)、司会の熊田(中)
宋美玄さん(左)と梅村聡さん(右)、司会の熊田(中)

 この春から、新連載「梅ちゃん先生のティールーム」を始めます。元参院議員で厚生労働省政務官を務めた梅村聡さんが医療界の著名人と対談し、今だから言える本音トークをを繰り広げます。時に相手のプライベートにも触れ、かしこまったインタビューでは聞けないようなオモシロ話をお届けしていきます。

 

 対談で最も面白かったと編集部が思った部分は、会員の皆様に隔月でお届けしている会報誌に掲載してお届けします。続きを読みたいという方、ぜひパブリックプレスへのご入会をお待ちしております

 

[司会] 代表理事・熊田梨恵
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 初回のお相手は、テレビや雑誌等でも活躍中の産婦人科医、宋美玄さん。なんと梅村さんと宋さんは大阪大学医学部の同期で、共に医学を学んでいた仲だったのです! お二人の再会シーンからどうぞ。

 

①    同級生だった! 梅村聡と宋美玄!


梅村:久しぶりやね~。元気やった? えらいあちこちでご活躍で(笑)。

宋:おお~、元気やで。あんたこそご活躍で(笑)。今日は娘の真美(まみ)ちゃんも同席させてもらうわ。

梅村:もちろん、どうぞ。大きくなったね~。今何歳?

宋:2歳。保育園も行ってるで~。

梅村:会うのは1年ぶりぐらいかな。宋は今、大学院行ってるんやった?

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