一人ひとりが自らの人生の主人公であることのできる社会になるよう、一人ひとりが当事者として参加する社会をつくることを目指します。そのために、新しい市民参加型のメディアと場を提供することによって、私たち一人一人が情報社会の中で生きていく力をサポートするNPOです。メディアとして、独自に医療現場などを取材したメールマガジン、患者向けフリーマガジン「ロハス・メディカル」を毎月お届けするほか、各種医療・介護セミナーやイベントを開催します。
2015年
9月
06日
日
今日は私、代表熊田の個人的なお知らせです。私が2014年から1年間勤めた亀田総合病院(千葉県鴨川市)地域医療学講座が千葉県より助成を受けて出版した書籍「地域包括ケアの課題と未来‐看取り方と看取られ方」(ロハスメディア社)が発売されました。
盛んに言われる「地域包括ケア」に関して、各地域が恐らく共通して抱えている、もしくは今後ぶつかるだろう課題について、各分野の専門家がピンポイントで語っています。贔屓目ではなく、地域医療介護の抱える問題をこれほど網羅した書籍は見たことがないと思っていますし、業界のタブーに切り込んだ部分が随所に見られます。医療介護職や行政など専門職向けにはなりますが、ぜひお手にとってご覧いただきたいと思います。
2015年
5月
15日
金
医療について気軽に語り合う場を提供している市民団体「メディ・カフェ@関西」とのコラボイベントを6月7日(日)午後1時から、大阪市内で開きます。テーマは「看取った家族が後悔すること~終活を自己満足で終わらせない為に(仮)」。月刊文藝春秋5月号に書いた記事の話も織り交ぜながら、参加者の皆さんとざっくばらんに看取りや終末期医療について語っていきたいと思います。ぜひご参加ください!
2015年
4月
13日
月
現在発売中の月刊「文藝春秋」5月号医療特集に「看取った家族が後悔すること」という記事を書いています。ぜひ、お手に取って頂けたら嬉しいです!
今回の記事を書くきっかけになったのは、取材で出会ったご家族の言葉でした。認知症によりコミュニケーション不通となった義母を病院で看取ったお嫁さんが「義母に延命治療をしないと、夫と二人で悩んで決めたけど、本当にそれでよかったのか後悔している」と話してくれたことです。私から見れば、そのお嫁さんはとても丁寧に介護を続けてきておられたし、義母の最期にも何も不自然な点はなく、老衰による自然な最期でした。「無理に延命をしない」という方針も、夫とよくよく話し合って決めておられました。それなのに「後悔している」と話されたので、逆に驚いたのです。これだけ真摯に介護をしていながら、なぜ後悔が残る? これが、取材のきっかけでした。
2014年
12月
12日
金
梅村:先生とお話ししていて気付いたのですが、先生はもちろん裁判などで医師を守る場面もあるとは思うのですが、結構斜めから見てはるんですよ。例えば医療事故調の議論の中で「自分たちで解決していくプロセスも含めて医療なんだ」ということをおっしゃってますよね。そのプロセスをつくって医療界に内包していかないと、本当の意味では国民から信頼されない。それが本当の意味で医師を守ることになると。「医療というのは治す作業だけだ」と言って殻に閉じこもっちゃうと医療のレベルは落ちるし、国民からの信頼は無くなる、という思いで活動されていると僕は思いました。
2014年
11月
17日
月
現在発売中の文藝春秋オピニオン「2015年の論点100」に拙記事「年間47万人へ―看取りなき『その他死』が激増」が掲載されています。
ぜひ書店などでお求めいただけると嬉しく思います。
今回の論旨は、日本の高齢化に伴う死亡者数増加により、死ぬ「場所」がなくなってしまうという話です。一体どういう意味でしょう?
2014年
11月
05日
水
梅村:僕が市中病院で働いていた時に、医療ミスを起こして、訴えられた医師がいるんです。この話には、医師として割り切れない思いが残っています。彼は外来に来た患者さんに一定の処置をして返したのですが、その方が帰宅途中に亡くなってしまったんです。全く別の原因で亡くなったのですが、僕らからしても、普通の診療では分かり得ないようなことが原因でした。それが裁判になって、その内容を鑑定した医師は「分かったはずだ」と言うんですね。でもそれは結果を知ってるから言えるような内容で、僕らは「後からだったら何とでも言える」と思ってました。後出しじゃんけんで鑑定されたら、絶対に負けるわけですよ。
熊田:それは腑に落ちませんね。
2014年
10月
28日
火
梅村:弁護士になられて、最初は勤めておられたんですよね。
井上:最初は事務所に所属して、3年ぐらいで出ました。それから九段下で事務所を持って、その後こっちに。
梅村:やっぱり自立心が旺盛やったわけですね。医療の分野を本格的にやり出したのは、弁護士になって何年目ぐらいからですか。
井上:弁護士になって10年から15年ぐらいですね。
梅村:そんな最近なんですね。
井上:皆さんにそう言われるんだけど、弁護士が医療の世界にどっぷりという形でやり出したのは、最近なんですよ。なぜかというと、色々な医療バッシングが起き始めましたのは1999年頃からでしょう。
梅村:持ちかけられるようになった話は、医者と患者さんとのトラブルとかですか?
井上:そう、少しずつ医療事故やクレームの話が増えてきました。世の中変わってきたんだ、そういやそうだねと思ったわけです。
熊田:そうだね、というのは?
2014年
9月
18日
木
梅村:権力側の動きが分かってきたわけですよね。
井上:そうそう。例えば刑事告訴ってあるじゃないですか。告訴は「受付係」なんていうのがあるんですよ。「聴訴」なんて言葉書くんですが、「告訴の受付係の仕事は告訴を受け付けないことである」という考え方です。つまり、「こんなつまらない告訴は受け付けない、はじく」ということですね。彼らからしてみれば「最近の若い警察官はだらしない。告訴を受け付けてしまうから、やらなきゃいかん。そんなばかな事件やってけしからん」というわけですよ。
梅村:今の時代やったら、えらい話ですよね。
井上:こういう洗礼を昔に受けてるわけです。それで俺は「じゃあとっつぁんね、自分でえん罪作っちゃうだろ」と言ったら「俺はえん罪を出したことはない」と。どうしてかと聞いたら「全部自白させるからえん罪も何もない。きちんと調書を作るんだから。がちがちに固めとけばいいんだ。そうすれば無罪なんだ」とね。「弁護士なんかばかだから、法廷に出て色々言われたことあるけれども、そんなもんで無罪なんて出るわけねえ。弁護士なんてあほなんだ」と言うのを聞いて育ったわけですよ。警察官から見たら弁護士は敵だから。
2014年
9月
15日
月
梅村:井上先生、こんにちは。先生とはいろんなところでしょっちゅうお会いさせて頂いているんですけども、今日はよろしくお願いいたします。
井上:こちらこそ、よろしくお願いします。
梅村:この対談の2回目を先生にお願いしたのは、もともと僕が医療の世界から政治に出てくるきっかけが福島県立大野病院事件(※)だったんです。政治家の方と出会ってこの事件について意見交換をしているうちに、選挙に出るように勧められたという経緯がありました。
2014年
8月
27日
水
――先日、摂食・嚥下障害を持つお子さんのお母さんが医師や保健師、学校教諭にも理解されなくて大変苦しんでいるという話を聞きました。子どもの摂食・嚥下障害はなぜ小児科医の間でも認識されていないのでしょうか?
この分野は、小児医療の中でもあまり知られず、積極的に扱われないまま埋もれています。小児科医は普段の診療の中で大なり小なり関わるのですが、どのように対応すべきか悩んでいるのが現状です。注目されることの多い高齢者の嚥下や胃ろうの話と対応が混乱しているところがあります。また、育児にかかわる部分が大きいことも重要です。小児医療はより専門分化し、小児保健に関心が薄れたことも関連してきているかもしれません。またリハビリテーションによる訓練と考え、食べられない子どもは小児科で診る疾患でないと思ってしまうのかもしれません。乳幼児の摂食障害は、育児面と医療面のいずれも重要で、小児科医が関わることが大切です。
2014年
8月
27日
水
――意欲がなければ、自分で食べるようにはならないんですね。
「食べる意欲が育つ」ことがとても大事です。本来は特別な配慮をしなくても育ちます。しかしながら、このような子どもの多くは、離乳食期にうまくいかなかった場合が多いです。離乳に未経験で一生懸命なお母さんは育児について丁寧に勉強します。厚労省は「授乳・離乳の支援ガイド」を出しており、育児書でもペースト状の離乳食から一口ずつ段階的に固形物に進むよう薦めています(下図)。離乳食の商品も前期、中期、後期というように、これに準じて作られています。
2014年
8月
27日
水
「胃ろう」がクローズアップされたことで高齢者の摂食・嚥下の問題はよく取り上げられるようになったが、乳幼児の摂食障害は見落とされがちだ。数が少ないために医療者の間でも認識は広がっておらず、食べることを拒否する子どもを育てる親の苦労は壮絶だ。育ち盛りの子どもがなぜ食べることを拒むのか。こうした子どもたちを多く見てきた昭和大学医学部小児科の田角勝(たつの・まさる)教授に聞いた。(熊田梨恵)
2014年
8月
26日
火
■スナック菓子をかじった
転機は突然訪れた。娘は療護園に入院してからも変わらずシリンジで栄養剤を摂っていたが、看護師が交代で栄養を与えるためか、ストレスや嘔吐が少し減ったようだった。
ある日、娘が保育の時間に友達に誘われてスナック菓子を一緒にかじったという知らせを受けた。保育士が喜んで泣きながら病棟まで走って報告に来てくれたという。その後、発熱をきっかけに自ら水分を欲しがることもあった。
また別の日、仲の良い小学生の男児が自分の食べていた物を「食べる?」と娘に聞くと娘は「うん」と言って、口に入れて噛んで飲み込んだ。初めて、娘が食べたのだ。「娘もその子が大好きだったようでした。大人がどんなに薦めても食べないのに、欲のない子どもだからよかったのでしょうか。子ども同士の関係の大切さを思い知りました」。このことをきっかけに、娘は食べ始めた。最初はペースト食だったが、固形物でも食べられる時もあった。迫田さんはこの頃、「ようやく私も少しは頑張ってきたのかな。ちょっとは自分のことを許してもいいのかなと思えるようになってきました」と、自分を責め続けた育児を落ち着いて振り返るようになった。療護園から一時帰宅した娘は、焼うどんを自分で食べ、上の子どもと乾杯しながら牛乳を飲んでいた。迫田さんには信じられない光景だった。
2014年
8月
26日
火
(上)はこちら。
■育てるために親子関係を捨てた
退院から2か月後、娘はいつも吐こうとしている様子だった。娘の睡眠時、迫田さんが娘の口にミルクを入れると飲むことが分かったのでそうしてみたが、起きると吐く。目を覚ますと口を開かなくなり、泣きわめく。ついに哺乳瓶からは全く飲まなくなった。「苛立ちがピークに達して娘を布団に投げつけました。そうでもしないといられないぐらいの気持ちがありました。とは言っても実際には、手に持った娘を、ぽんと布団の上に置くような感じです」。一方の娘は、迫田さんから離れたことによってにこにこと笑っていたという。
迫田さんはその時に、スポイトを使って飲ませるということを思い付いた。娘の体を足で押さえつけて、上体を上げてスポイトでミルクを口に流し込んだ。50mlを飲ませるのに1時間かかった。「無理強いでも、この子が育つなら体だけは育てよう。もはや、良好な母子関係などは捨てよう」と思った。医師からは「スポイトでも飲み込んでいるんだから、続けていくべき」と言われた。しかし、カロリーが足りないため一日に700ml飲ませるように言われ、苦しくてたまらなくなった。
2014年
8月
26日
火
子どもの摂食・嚥下障害をご存知だろうか。子どもが病気や障害、精神的な問題のために口から食べたり飲んだりすることをできないか、拒否する状態をいう。高齢者については「胃ろう」がクローズアップされたことでよく取り上げられるようになったが、新生児や乳幼児は原因や状況が異なる上、小児医療分野でもほとんど知られていない。医療機関や行政、教育機関、一般市民の無理解に苦しむ親の苦労は壮絶だ。栄養を摂らないと死んでしまうと思って食べさせようとする親と、頑として拒否する子ども。「こんな食べさせ方は虐待のようだと分かっていたからこそ苦しかった。娘の存在さえも苦しくて、段ボールに入れて捨てたら、すべてがなかったことになるのだろうかとすら考えた」と、孤独のあまり親子心中すら考えたという迫田(さくた)理恵子さん(42)。摂食嚥下障害の子どもを持つ親の会で、苦しい胸中を語った。(熊田梨恵)
2014年
7月
29日
火
宋:梅村君はこれからどうするん? 政治家に戻るんやろ?
梅村:そのつもりで今は色々あちこちで勉強させてもらってるよ。ちょっと話は変わるけど、医者で政治家になりたいという人は結構多いんです。僕のところにも色々相談に来られるんですけど、彼らの多くは、今の職場でうまくいかないとか、今やっていることに行き詰まりを感じているんです。それで新たな道ということで政治の世界に来ようとしているんです。
司会:そんな“青い鳥症候群”のような…。
宋:ある意味、環境をリセットしたいんやな。
2014年
7月
17日
木
「虐待だと思ったら、重症度に関わらずためらわないで警察と児相(児童相談所)に通告しましょう」――。済生会栗橋病院(埼玉・久喜市)で7月2日に開かれた医療者と消防機関、行政の勉強会で金子裕貴医師が訴えた。子どもの虐待は年々増加しており、虐待の疑いのある子どもの救急搬送に関わる救急隊や医療者からの通報が早期解決の鍵を握っている。
2014年
7月
09日
水
7月8日付房日新聞の一面に、先日の講演会の様子を取り上げて頂きました。お世話になりました皆様、ありがとうございました!
胃ろうをめぐる様々な価値観や倫理的問題、制度的背景、医療界の動向などについて話しました。特に家族の思いについてはグループワークを通じて感じて頂くことに重点を置きました。
私がこういう講演をする時のモットーは、実用的な内容であること。話を聞いても使えなかったら意味がないと思っています。何かすぐにでも使えるツール(コミュニケーション、考える素材など)、役に立つものを持って帰ってもらうようにしています。倫理的な話だけで終わると、もやもやしたまま帰ることになるので、何か行動につなげて頂くことでその方なりのアウトプットにしてもらえたらと思っています。難しい話で終わるのは、話す側の自己満足かなと感じています(難しい話を求められている場ならそれでいいのですが)。
2014年
6月
20日
金
宋:話は変わるけど、舛添さんは梅村君のことを評価していたよ。
梅村:どこで会うたの?
宋:私、去年の参院選前に政治の話をするテレビ番組に出たんだけど、その時に舛添さんと雑談をしてて。「ドクターからは舛添さんが厚生労働大臣の時のこと、評価されていますよ」とか話してた時に、何かの話題でそうなった。「彼はすごくやってるよね」みたいなこと言っていた。
梅村:それはそれは、有り難いです。あの頃は都知事になられるとは思わへんかったからね。
宋:その時、舛添さんがちょうど政界を引退されるというような話が出ていて、「ぜひまた出てきてください」と話したわ。
2014年
6月
09日
月
梅村:「そもそもベビーシッターに預けたりするのはけしからん」みたいな意見はあった?
宋:子育て中の女性芸能人が「知らない人に預けるなんて信じられない」みたいなことをテレビ番組中で発言してて、ネットで炎上してたわ。
司会:「子どもを預けるなんて、そんな母親はダメだ」みたいなことをブログで書いていた政治家もいましたね。一般市民からは反発を買ってましたけど。
梅村:ただね、それは表に出て言うからネットで拡散しているだけで、国会議員の中にも、記者に話を聞かれていないクローズドな場やったらそういうことを言う人はいっぱいいるんですよ。
司会:どういうことですか?
2014年
6月
02日
月
先月中旬より、HP内で「続きを読む」をクリックするとリンク先が真っ白になり、表示されない不具合が続いております。読者の皆様にはご不便とご迷惑をおかけしており、申し訳ございません。
このHPのシステム管理をするJimdoサポートデスクに再三にわたり問い合わせておりますが、具体的な返事を頂けておりません。復旧のめどについても連絡がないため、私どもも記事を掲載することができず大変困っております。Jimdoサポートの対応が的を得ないため、他社のシステムに変えるべきかを悩んでいるところです。
皆様にはご迷惑をおかけして申し訳ございません。1か月以上Jimdoサポートより連絡がないようでしたら、HPについては別の手段を検討します。
パブリックプレス事務局
2014年
5月
19日
月
「記者が見た胃ろうの光と影」をテーマに、胃ろうをめぐる価値観や倫理問題などについて6月27日、亀田医療技術専門学校(千葉県鴨川市)で講演します。主催は安房地域難病相談・支援センター。著書「胃ろうとシュークリーム~本当に大事なのは何ですか?」の取材内容から話そうと考えているところです。興味のある方なら誰でも参加できますので、ぜひどうぞ。
■プログラム案内文
近年,装着する人が急速に増えた「胃ろう」。胃ろうがどのような物なのか,胃ろうを造るということがどのようなことを意味するのか,是非この機会に知っていただき,ご本人,ご家族さま等身近な方と話し合う第一歩にしていただきたいと思います。
■日時 2014 年6月27日 13:00~15:30
■会場 亀田医療技術専門学校2階講義室
■プログラム
①13:00 ~ 13:30
医学講座「胃ろう」について…
安房地域難病相談・支援センター センター長 小野沢 滋 先生
②13:30 ~ 15:30
「記者が見た胃ろうの光と影」
医療問題ジャーナリスト
特定非営利活動法人 パブリックプレス 代表理事 熊田 梨恵
■参加費 無料
■主催 安房地域難病相談・支援センター
■問い合わせ・申し込み先
亀田総合病院地域医療支援部内 安房地域難病相談・支援センター事務局/担当:反田・山本
TEL04-7092-2211 FAX04-7099-1121
2014年
5月
18日
日
司会:宋先生、確か今日の取材では真美ちゃんを預かってもらってから来られる、と仰っていたような……。今日真美ちゃんがご一緒なのは、ベビーシッターさんの予約がいっぱいで、預かってもらえなかったとかですか?
宋:今日みたいな土曜日は保育園に別料金で預かってもらえるんですけど、予約を取るのを忘れちゃってたんですよ。前もって予約していないと枠が少ないからね。
司会:やっぱり育てながら働くのって難しいですよね。こうして預かってもらえない時もあって。
宋:うちは無認可の保育園に行ってて、融通が利きやすいところなので、助かってる方なんですけどね。
司会:ちょうど先日、ベビーシッターの問題(※)が報道されてましたね。中には、ベビーシッターに長時間預けていると働いてもらえるお金以上に保育料がかかってしまうという人の話も聞きます。働くよりも家にいた方が、お金がかからなかったりすることもあるとか。
2014年
5月
07日
水
■医者は「性」について習わない
梅村:本の出版やテレビ出演とか、これはどういうきっかけや思いで始めはったことなん?
宋:医療関係の相談を専門家が答えるというSNSのページがあって、そこで医療に関する一般の人の生の匿名の声に触れたんだけど、自分の前で患者さんが反応していることと全然違ったりとかするわけよね。当時、大野病院の医療事故(※)もあったけど、やっぱり一般の人たちの反応を見ると、医者に聖職者的なことを求めていたり、医療に完全を求めていたりする人たちもいた。「主治医にこんなこと言われたけど、おかしくないですか?」みたいな感じでね。もちろん、それも正直な気持ちだとは思うよ。でも、目の前の患者さん一人一人とお話をするだけじゃなくて、医療を受ける人の意識も変えないと、両者にとって良くないなと思って。それで最初は匿名でSNSやブログで、思っていることを発信するようになって、最初にそれを熊田さんが拾ってくれて。
(※大野病院の医療事故…2004年に福島県立大野病院で妊婦が帝王切開手術中に死亡。06年に執刀医の産婦人科医が逮捕、起訴され、08年に無罪となった事件)
司会:「妊娠の心得11か条」ですね。懐かしい。
2014年
4月
28日
月
この春から、新連載「梅ちゃん先生のティールーム」を始めます。元参院議員で厚生労働省政務官を務めた梅村聡さんが医療界の著名人と対談し、今だから言える本音トークをを繰り広げます。時に相手のプライベートにも触れ、かしこまったインタビューでは聞けないようなオモシロ話をお届けしていきます。
対談で最も面白かったと編集部が思った部分は、会員の皆様に隔月でお届けしている会報誌に掲載してお届けします。続きを読みたいという方、ぜひパブリックプレスへのご入会をお待ちしております。
[司会] 代表理事・熊田梨恵
―――――――――――――――――――
初回のお相手は、テレビや雑誌等でも活躍中の産婦人科医、宋美玄さん。なんと梅村さんと宋さんは大阪大学医学部の同期で、共に医学を学んでいた仲だったのです! お二人の再会シーンからどうぞ。
① 同級生だった! 梅村聡と宋美玄!
梅村:久しぶりやね~。元気やった? えらいあちこちでご活躍で(笑)。
宋:おお~、元気やで。あんたこそご活躍で(笑)。今日は娘の真美(まみ)ちゃんも同席させてもらうわ。
梅村:もちろん、どうぞ。大きくなったね~。今何歳?
宋:2歳。保育園も行ってるで~。
梅村:会うのは1年ぶりぐらいかな。宋は今、大学院行ってるんやった?
2014年
3月
28日
金
去る3月14日、大阪・蛍池の正福寺様で講演をさせて頂きました。テーマは「いのちを考える~医療の現場から見えるもの」。一般向けの講演だったので、今後の高齢社会を迎えるに当たり医療介護について何を知っておけばよいのか、何を考えておけばよいのかといったことを中心にお話しさせて頂きました。著書「救児の人々」や「胃ろうとシュークリーム」に出てきたご家族の話などを題材に今の医療現場が抱える問題をお伝えし、胃ろうについてのロールプレイも行いました。
2014年
2月
27日
木
昨年秋に大阪・蛍池の正福寺様で新著「胃ろうとシュークリーム」の出版記念イベントを開いた御縁で、今度は私が正福寺様で一般向けの講演会をさせて頂くことになりました! 「救児の人々」の新生児医療や在宅の重症心身障害児の問題、「胃ろうとシュークリーム」の高齢者の延命医療などについてお話しさせて頂くつもりです。
この講演会、正福寺様の所属する浄土真宗の近隣寺院の方々の同朋研修会でもあります。つまり、僧侶の方々に向かってお話をする会でもあり、医療者や市民向けの講演ばかりだった私には初体験です。
2013年
12月
19日
木
今年7月に出演したFM79.2ラジオ番組「月も笑う夜に~虹色トークライブ」で話した内容のダイジェストが、番組HPに掲載されています。当日話した内容が掲載されているので、ぜひご覧くださいね。
2013年
12月
12日
木
Newsweek日本版のムック『0歳からの教育』で、産院選びに関して熊田が取材を受け、コメントが掲載されています。
近年、『私らしいお産』などといった言葉で、自宅分娩や水中分娩など、様々な形の出産が注目されています。しかしその陰には、予測できないトラブルや、医療機関ときちんと連携していない助産院の対応によって、母児の命が危険にさらされるケースもあるのです。
2015年
9月
06日
日
今日は私、代表熊田の個人的なお知らせです。私が2014年から1年間勤めた亀田総合病院(千葉県鴨川市)地域医療学講座が千葉県より助成を受けて出版した書籍「地域包括ケアの課題と未来‐看取り方と看取られ方」(ロハスメディア社)が発売されました。
盛んに言われる「地域包括ケア」に関して、各地域が恐らく共通して抱えている、もしくは今後ぶつかるだろう課題について、各分野の専門家がピンポイントで語っています。贔屓目ではなく、地域医療介護の抱える問題をこれほど網羅した書籍は見たことがないと思っていますし、業界のタブーに切り込んだ部分が随所に見られます。医療介護職や行政など専門職向けにはなりますが、ぜひお手にとってご覧いただきたいと思います。
2015年
5月
15日
金
医療について気軽に語り合う場を提供している市民団体「メディ・カフェ@関西」とのコラボイベントを6月7日(日)午後1時から、大阪市内で開きます。テーマは「看取った家族が後悔すること~終活を自己満足で終わらせない為に(仮)」。月刊文藝春秋5月号に書いた記事の話も織り交ぜながら、参加者の皆さんとざっくばらんに看取りや終末期医療について語っていきたいと思います。ぜひご参加ください!
2015年
4月
13日
月
現在発売中の月刊「文藝春秋」5月号医療特集に「看取った家族が後悔すること」という記事を書いています。ぜひ、お手に取って頂けたら嬉しいです!
今回の記事を書くきっかけになったのは、取材で出会ったご家族の言葉でした。認知症によりコミュニケーション不通となった義母を病院で看取ったお嫁さんが「義母に延命治療をしないと、夫と二人で悩んで決めたけど、本当にそれでよかったのか後悔している」と話してくれたことです。私から見れば、そのお嫁さんはとても丁寧に介護を続けてきておられたし、義母の最期にも何も不自然な点はなく、老衰による自然な最期でした。「無理に延命をしない」という方針も、夫とよくよく話し合って決めておられました。それなのに「後悔している」と話されたので、逆に驚いたのです。これだけ真摯に介護をしていながら、なぜ後悔が残る? これが、取材のきっかけでした。
2014年
12月
12日
金
梅村:先生とお話ししていて気付いたのですが、先生はもちろん裁判などで医師を守る場面もあるとは思うのですが、結構斜めから見てはるんですよ。例えば医療事故調の議論の中で「自分たちで解決していくプロセスも含めて医療なんだ」ということをおっしゃってますよね。そのプロセスをつくって医療界に内包していかないと、本当の意味では国民から信頼されない。それが本当の意味で医師を守ることになると。「医療というのは治す作業だけだ」と言って殻に閉じこもっちゃうと医療のレベルは落ちるし、国民からの信頼は無くなる、という思いで活動されていると僕は思いました。
2014年
11月
17日
月
現在発売中の文藝春秋オピニオン「2015年の論点100」に拙記事「年間47万人へ―看取りなき『その他死』が激増」が掲載されています。
ぜひ書店などでお求めいただけると嬉しく思います。
今回の論旨は、日本の高齢化に伴う死亡者数増加により、死ぬ「場所」がなくなってしまうという話です。一体どういう意味でしょう?
2015年
9月
06日
日
今日は私、代表熊田の個人的なお知らせです。私が2014年から1年間勤めた亀田総合病院(千葉県鴨川市)地域医療学講座が千葉県より助成を受けて出版した書籍「地域包括ケアの課題と未来‐看取り方と看取られ方」(ロハスメディア社)が発売されました。
盛んに言われる「地域包括ケア」に関して、各地域が恐らく共通して抱えている、もしくは今後ぶつかるだろう課題について、各分野の専門家がピンポイントで語っています。贔屓目ではなく、地域医療介護の抱える問題をこれほど網羅した書籍は見たことがないと思っていますし、業界のタブーに切り込んだ部分が随所に見られます。医療介護職や行政など専門職向けにはなりますが、ぜひお手にとってご覧いただきたいと思います。
2015年
5月
15日
金
医療について気軽に語り合う場を提供している市民団体「メディ・カフェ@関西」とのコラボイベントを6月7日(日)午後1時から、大阪市内で開きます。テーマは「看取った家族が後悔すること~終活を自己満足で終わらせない為に(仮)」。月刊文藝春秋5月号に書いた記事の話も織り交ぜながら、参加者の皆さんとざっくばらんに看取りや終末期医療について語っていきたいと思います。ぜひご参加ください!
2015年
4月
13日
月
現在発売中の月刊「文藝春秋」5月号医療特集に「看取った家族が後悔すること」という記事を書いています。ぜひ、お手に取って頂けたら嬉しいです!
今回の記事を書くきっかけになったのは、取材で出会ったご家族の言葉でした。認知症によりコミュニケーション不通となった義母を病院で看取ったお嫁さんが「義母に延命治療をしないと、夫と二人で悩んで決めたけど、本当にそれでよかったのか後悔している」と話してくれたことです。私から見れば、そのお嫁さんはとても丁寧に介護を続けてきておられたし、義母の最期にも何も不自然な点はなく、老衰による自然な最期でした。「無理に延命をしない」という方針も、夫とよくよく話し合って決めておられました。それなのに「後悔している」と話されたので、逆に驚いたのです。これだけ真摯に介護をしていながら、なぜ後悔が残る? これが、取材のきっかけでした。
2014年
12月
12日
金
梅村:先生とお話ししていて気付いたのですが、先生はもちろん裁判などで医師を守る場面もあるとは思うのですが、結構斜めから見てはるんですよ。例えば医療事故調の議論の中で「自分たちで解決していくプロセスも含めて医療なんだ」ということをおっしゃってますよね。そのプロセスをつくって医療界に内包していかないと、本当の意味では国民から信頼されない。それが本当の意味で医師を守ることになると。「医療というのは治す作業だけだ」と言って殻に閉じこもっちゃうと医療のレベルは落ちるし、国民からの信頼は無くなる、という思いで活動されていると僕は思いました。
2014年
11月
17日
月
現在発売中の文藝春秋オピニオン「2015年の論点100」に拙記事「年間47万人へ―看取りなき『その他死』が激増」が掲載されています。
ぜひ書店などでお求めいただけると嬉しく思います。
今回の論旨は、日本の高齢化に伴う死亡者数増加により、死ぬ「場所」がなくなってしまうという話です。一体どういう意味でしょう?
2015年
9月
06日
日
今日は私、代表熊田の個人的なお知らせです。私が2014年から1年間勤めた亀田総合病院(千葉県鴨川市)地域医療学講座が千葉県より助成を受けて出版した書籍「地域包括ケアの課題と未来‐看取り方と看取られ方」(ロハスメディア社)が発売されました。
盛んに言われる「地域包括ケア」に関して、各地域が恐らく共通して抱えている、もしくは今後ぶつかるだろう課題について、各分野の専門家がピンポイントで語っています。贔屓目ではなく、地域医療介護の抱える問題をこれほど網羅した書籍は見たことがないと思っていますし、業界のタブーに切り込んだ部分が随所に見られます。医療介護職や行政など専門職向けにはなりますが、ぜひお手にとってご覧いただきたいと思います。
2015年
5月
15日
金
医療について気軽に語り合う場を提供している市民団体「メディ・カフェ@関西」とのコラボイベントを6月7日(日)午後1時から、大阪市内で開きます。テーマは「看取った家族が後悔すること~終活を自己満足で終わらせない為に(仮)」。月刊文藝春秋5月号に書いた記事の話も織り交ぜながら、参加者の皆さんとざっくばらんに看取りや終末期医療について語っていきたいと思います。ぜひご参加ください!
2015年
4月
13日
月
現在発売中の月刊「文藝春秋」5月号医療特集に「看取った家族が後悔すること」という記事を書いています。ぜひ、お手に取って頂けたら嬉しいです!
今回の記事を書くきっかけになったのは、取材で出会ったご家族の言葉でした。認知症によりコミュニケーション不通となった義母を病院で看取ったお嫁さんが「義母に延命治療をしないと、夫と二人で悩んで決めたけど、本当にそれでよかったのか後悔している」と話してくれたことです。私から見れば、そのお嫁さんはとても丁寧に介護を続けてきておられたし、義母の最期にも何も不自然な点はなく、老衰による自然な最期でした。「無理に延命をしない」という方針も、夫とよくよく話し合って決めておられました。それなのに「後悔している」と話されたので、逆に驚いたのです。これだけ真摯に介護をしていながら、なぜ後悔が残る? これが、取材のきっかけでした。
2014年
12月
12日
金
梅村:先生とお話ししていて気付いたのですが、先生はもちろん裁判などで医師を守る場面もあるとは思うのですが、結構斜めから見てはるんですよ。例えば医療事故調の議論の中で「自分たちで解決していくプロセスも含めて医療なんだ」ということをおっしゃってますよね。そのプロセスをつくって医療界に内包していかないと、本当の意味では国民から信頼されない。それが本当の意味で医師を守ることになると。「医療というのは治す作業だけだ」と言って殻に閉じこもっちゃうと医療のレベルは落ちるし、国民からの信頼は無くなる、という思いで活動されていると僕は思いました。
2014年
11月
17日
月
現在発売中の文藝春秋オピニオン「2015年の論点100」に拙記事「年間47万人へ―看取りなき『その他死』が激増」が掲載されています。
ぜひ書店などでお求めいただけると嬉しく思います。
今回の論旨は、日本の高齢化に伴う死亡者数増加により、死ぬ「場所」がなくなってしまうという話です。一体どういう意味でしょう?
2014年
11月
05日
水
梅村:僕が市中病院で働いていた時に、医療ミスを起こして、訴えられた医師がいるんです。この話には、医師として割り切れない思いが残っています。彼は外来に来た患者さんに一定の処置をして返したのですが、その方が帰宅途中に亡くなってしまったんです。全く別の原因で亡くなったのですが、僕らからしても、普通の診療では分かり得ないようなことが原因でした。それが裁判になって、その内容を鑑定した医師は「分かったはずだ」と言うんですね。でもそれは結果を知ってるから言えるような内容で、僕らは「後からだったら何とでも言える」と思ってました。後出しじゃんけんで鑑定されたら、絶対に負けるわけですよ。
熊田:それは腑に落ちませんね。
2014年
10月
28日
火
梅村:弁護士になられて、最初は勤めておられたんですよね。
井上:最初は事務所に所属して、3年ぐらいで出ました。それから九段下で事務所を持って、その後こっちに。
梅村:やっぱり自立心が旺盛やったわけですね。医療の分野を本格的にやり出したのは、弁護士になって何年目ぐらいからですか。
井上:弁護士になって10年から15年ぐらいですね。
梅村:そんな最近なんですね。
井上:皆さんにそう言われるんだけど、弁護士が医療の世界にどっぷりという形でやり出したのは、最近なんですよ。なぜかというと、色々な医療バッシングが起き始めましたのは1999年頃からでしょう。
梅村:持ちかけられるようになった話は、医者と患者さんとのトラブルとかですか?
井上:そう、少しずつ医療事故やクレームの話が増えてきました。世の中変わってきたんだ、そういやそうだねと思ったわけです。
熊田:そうだね、というのは?
2014年
9月
18日
木
梅村:権力側の動きが分かってきたわけですよね。
井上:そうそう。例えば刑事告訴ってあるじゃないですか。告訴は「受付係」なんていうのがあるんですよ。「聴訴」なんて言葉書くんですが、「告訴の受付係の仕事は告訴を受け付けないことである」という考え方です。つまり、「こんなつまらない告訴は受け付けない、はじく」ということですね。彼らからしてみれば「最近の若い警察官はだらしない。告訴を受け付けてしまうから、やらなきゃいかん。そんなばかな事件やってけしからん」というわけですよ。
梅村:今の時代やったら、えらい話ですよね。
井上:こういう洗礼を昔に受けてるわけです。それで俺は「じゃあとっつぁんね、自分でえん罪作っちゃうだろ」と言ったら「俺はえん罪を出したことはない」と。どうしてかと聞いたら「全部自白させるからえん罪も何もない。きちんと調書を作るんだから。がちがちに固めとけばいいんだ。そうすれば無罪なんだ」とね。「弁護士なんかばかだから、法廷に出て色々言われたことあるけれども、そんなもんで無罪なんて出るわけねえ。弁護士なんてあほなんだ」と言うのを聞いて育ったわけですよ。警察官から見たら弁護士は敵だから。
2014年
9月
15日
月
梅村:井上先生、こんにちは。先生とはいろんなところでしょっちゅうお会いさせて頂いているんですけども、今日はよろしくお願いいたします。
井上:こちらこそ、よろしくお願いします。
梅村:この対談の2回目を先生にお願いしたのは、もともと僕が医療の世界から政治に出てくるきっかけが福島県立大野病院事件(※)だったんです。政治家の方と出会ってこの事件について意見交換をしているうちに、選挙に出るように勧められたという経緯がありました。
2014年
8月
27日
水
――先日、摂食・嚥下障害を持つお子さんのお母さんが医師や保健師、学校教諭にも理解されなくて大変苦しんでいるという話を聞きました。子どもの摂食・嚥下障害はなぜ小児科医の間でも認識されていないのでしょうか?
この分野は、小児医療の中でもあまり知られず、積極的に扱われないまま埋もれています。小児科医は普段の診療の中で大なり小なり関わるのですが、どのように対応すべきか悩んでいるのが現状です。注目されることの多い高齢者の嚥下や胃ろうの話と対応が混乱しているところがあります。また、育児にかかわる部分が大きいことも重要です。小児医療はより専門分化し、小児保健に関心が薄れたことも関連してきているかもしれません。またリハビリテーションによる訓練と考え、食べられない子どもは小児科で診る疾患でないと思ってしまうのかもしれません。乳幼児の摂食障害は、育児面と医療面のいずれも重要で、小児科医が関わることが大切です。
2014年
8月
27日
水
――意欲がなければ、自分で食べるようにはならないんですね。
「食べる意欲が育つ」ことがとても大事です。本来は特別な配慮をしなくても育ちます。しかしながら、このような子どもの多くは、離乳食期にうまくいかなかった場合が多いです。離乳に未経験で一生懸命なお母さんは育児について丁寧に勉強します。厚労省は「授乳・離乳の支援ガイド」を出しており、育児書でもペースト状の離乳食から一口ずつ段階的に固形物に進むよう薦めています(下図)。離乳食の商品も前期、中期、後期というように、これに準じて作られています。
2014年
8月
27日
水
「胃ろう」がクローズアップされたことで高齢者の摂食・嚥下の問題はよく取り上げられるようになったが、乳幼児の摂食障害は見落とされがちだ。数が少ないために医療者の間でも認識は広がっておらず、食べることを拒否する子どもを育てる親の苦労は壮絶だ。育ち盛りの子どもがなぜ食べることを拒むのか。こうした子どもたちを多く見てきた昭和大学医学部小児科の田角勝(たつの・まさる)教授に聞いた。(熊田梨恵)
2014年
8月
26日
火
■スナック菓子をかじった
転機は突然訪れた。娘は療護園に入院してからも変わらずシリンジで栄養剤を摂っていたが、看護師が交代で栄養を与えるためか、ストレスや嘔吐が少し減ったようだった。
ある日、娘が保育の時間に友達に誘われてスナック菓子を一緒にかじったという知らせを受けた。保育士が喜んで泣きながら病棟まで走って報告に来てくれたという。その後、発熱をきっかけに自ら水分を欲しがることもあった。
また別の日、仲の良い小学生の男児が自分の食べていた物を「食べる?」と娘に聞くと娘は「うん」と言って、口に入れて噛んで飲み込んだ。初めて、娘が食べたのだ。「娘もその子が大好きだったようでした。大人がどんなに薦めても食べないのに、欲のない子どもだからよかったのでしょうか。子ども同士の関係の大切さを思い知りました」。このことをきっかけに、娘は食べ始めた。最初はペースト食だったが、固形物でも食べられる時もあった。迫田さんはこの頃、「ようやく私も少しは頑張ってきたのかな。ちょっとは自分のことを許してもいいのかなと思えるようになってきました」と、自分を責め続けた育児を落ち着いて振り返るようになった。療護園から一時帰宅した娘は、焼うどんを自分で食べ、上の子どもと乾杯しながら牛乳を飲んでいた。迫田さんには信じられない光景だった。
2014年
8月
26日
火
(上)はこちら。
■育てるために親子関係を捨てた
退院から2か月後、娘はいつも吐こうとしている様子だった。娘の睡眠時、迫田さんが娘の口にミルクを入れると飲むことが分かったのでそうしてみたが、起きると吐く。目を覚ますと口を開かなくなり、泣きわめく。ついに哺乳瓶からは全く飲まなくなった。「苛立ちがピークに達して娘を布団に投げつけました。そうでもしないといられないぐらいの気持ちがありました。とは言っても実際には、手に持った娘を、ぽんと布団の上に置くような感じです」。一方の娘は、迫田さんから離れたことによってにこにこと笑っていたという。
迫田さんはその時に、スポイトを使って飲ませるということを思い付いた。娘の体を足で押さえつけて、上体を上げてスポイトでミルクを口に流し込んだ。50mlを飲ませるのに1時間かかった。「無理強いでも、この子が育つなら体だけは育てよう。もはや、良好な母子関係などは捨てよう」と思った。医師からは「スポイトでも飲み込んでいるんだから、続けていくべき」と言われた。しかし、カロリーが足りないため一日に700ml飲ませるように言われ、苦しくてたまらなくなった。
2014年
8月
26日
火
子どもの摂食・嚥下障害をご存知だろうか。子どもが病気や障害、精神的な問題のために口から食べたり飲んだりすることをできないか、拒否する状態をいう。高齢者については「胃ろう」がクローズアップされたことでよく取り上げられるようになったが、新生児や乳幼児は原因や状況が異なる上、小児医療分野でもほとんど知られていない。医療機関や行政、教育機関、一般市民の無理解に苦しむ親の苦労は壮絶だ。栄養を摂らないと死んでしまうと思って食べさせようとする親と、頑として拒否する子ども。「こんな食べさせ方は虐待のようだと分かっていたからこそ苦しかった。娘の存在さえも苦しくて、段ボールに入れて捨てたら、すべてがなかったことになるのだろうかとすら考えた」と、孤独のあまり親子心中すら考えたという迫田(さくた)理恵子さん(42)。摂食嚥下障害の子どもを持つ親の会で、苦しい胸中を語った。(熊田梨恵)
2014年
7月
29日
火
宋:梅村君はこれからどうするん? 政治家に戻るんやろ?
梅村:そのつもりで今は色々あちこちで勉強させてもらってるよ。ちょっと話は変わるけど、医者で政治家になりたいという人は結構多いんです。僕のところにも色々相談に来られるんですけど、彼らの多くは、今の職場でうまくいかないとか、今やっていることに行き詰まりを感じているんです。それで新たな道ということで政治の世界に来ようとしているんです。
司会:そんな“青い鳥症候群”のような…。
宋:ある意味、環境をリセットしたいんやな。
2014年
7月
17日
木
「虐待だと思ったら、重症度に関わらずためらわないで警察と児相(児童相談所)に通告しましょう」――。済生会栗橋病院(埼玉・久喜市)で7月2日に開かれた医療者と消防機関、行政の勉強会で金子裕貴医師が訴えた。子どもの虐待は年々増加しており、虐待の疑いのある子どもの救急搬送に関わる救急隊や医療者からの通報が早期解決の鍵を握っている。
2014年
7月
09日
水
7月8日付房日新聞の一面に、先日の講演会の様子を取り上げて頂きました。お世話になりました皆様、ありがとうございました!
胃ろうをめぐる様々な価値観や倫理的問題、制度的背景、医療界の動向などについて話しました。特に家族の思いについてはグループワークを通じて感じて頂くことに重点を置きました。
私がこういう講演をする時のモットーは、実用的な内容であること。話を聞いても使えなかったら意味がないと思っています。何かすぐにでも使えるツール(コミュニケーション、考える素材など)、役に立つものを持って帰ってもらうようにしています。倫理的な話だけで終わると、もやもやしたまま帰ることになるので、何か行動につなげて頂くことでその方なりのアウトプットにしてもらえたらと思っています。難しい話で終わるのは、話す側の自己満足かなと感じています(難しい話を求められている場ならそれでいいのですが)。
2014年
6月
20日
金
宋:話は変わるけど、舛添さんは梅村君のことを評価していたよ。
梅村:どこで会うたの?
宋:私、去年の参院選前に政治の話をするテレビ番組に出たんだけど、その時に舛添さんと雑談をしてて。「ドクターからは舛添さんが厚生労働大臣の時のこと、評価されていますよ」とか話してた時に、何かの話題でそうなった。「彼はすごくやってるよね」みたいなこと言っていた。
梅村:それはそれは、有り難いです。あの頃は都知事になられるとは思わへんかったからね。
宋:その時、舛添さんがちょうど政界を引退されるというような話が出ていて、「ぜひまた出てきてください」と話したわ。
2014年
6月
09日
月
梅村:「そもそもベビーシッターに預けたりするのはけしからん」みたいな意見はあった?
宋:子育て中の女性芸能人が「知らない人に預けるなんて信じられない」みたいなことをテレビ番組中で発言してて、ネットで炎上してたわ。
司会:「子どもを預けるなんて、そんな母親はダメだ」みたいなことをブログで書いていた政治家もいましたね。一般市民からは反発を買ってましたけど。
梅村:ただね、それは表に出て言うからネットで拡散しているだけで、国会議員の中にも、記者に話を聞かれていないクローズドな場やったらそういうことを言う人はいっぱいいるんですよ。
司会:どういうことですか?
2014年
6月
02日
月
先月中旬より、HP内で「続きを読む」をクリックするとリンク先が真っ白になり、表示されない不具合が続いております。読者の皆様にはご不便とご迷惑をおかけしており、申し訳ございません。
このHPのシステム管理をするJimdoサポートデスクに再三にわたり問い合わせておりますが、具体的な返事を頂けておりません。復旧のめどについても連絡がないため、私どもも記事を掲載することができず大変困っております。Jimdoサポートの対応が的を得ないため、他社のシステムに変えるべきかを悩んでいるところです。
皆様にはご迷惑をおかけして申し訳ございません。1か月以上Jimdoサポートより連絡がないようでしたら、HPについては別の手段を検討します。
パブリックプレス事務局
2014年
5月
19日
月
「記者が見た胃ろうの光と影」をテーマに、胃ろうをめぐる価値観や倫理問題などについて6月27日、亀田医療技術専門学校(千葉県鴨川市)で講演します。主催は安房地域難病相談・支援センター。著書「胃ろうとシュークリーム~本当に大事なのは何ですか?」の取材内容から話そうと考えているところです。興味のある方なら誰でも参加できますので、ぜひどうぞ。
■プログラム案内文
近年,装着する人が急速に増えた「胃ろう」。胃ろうがどのような物なのか,胃ろうを造るということがどのようなことを意味するのか,是非この機会に知っていただき,ご本人,ご家族さま等身近な方と話し合う第一歩にしていただきたいと思います。
■日時 2014 年6月27日 13:00~15:30
■会場 亀田医療技術専門学校2階講義室
■プログラム
①13:00 ~ 13:30
医学講座「胃ろう」について…
安房地域難病相談・支援センター センター長 小野沢 滋 先生
②13:30 ~ 15:30
「記者が見た胃ろうの光と影」
医療問題ジャーナリスト
特定非営利活動法人 パブリックプレス 代表理事 熊田 梨恵
■参加費 無料
■主催 安房地域難病相談・支援センター
■問い合わせ・申し込み先
亀田総合病院地域医療支援部内 安房地域難病相談・支援センター事務局/担当:反田・山本
TEL04-7092-2211 FAX04-7099-1121
2014年
5月
18日
日
司会:宋先生、確か今日の取材では真美ちゃんを預かってもらってから来られる、と仰っていたような……。今日真美ちゃんがご一緒なのは、ベビーシッターさんの予約がいっぱいで、預かってもらえなかったとかですか?
宋:今日みたいな土曜日は保育園に別料金で預かってもらえるんですけど、予約を取るのを忘れちゃってたんですよ。前もって予約していないと枠が少ないからね。
司会:やっぱり育てながら働くのって難しいですよね。こうして預かってもらえない時もあって。
宋:うちは無認可の保育園に行ってて、融通が利きやすいところなので、助かってる方なんですけどね。
司会:ちょうど先日、ベビーシッターの問題(※)が報道されてましたね。中には、ベビーシッターに長時間預けていると働いてもらえるお金以上に保育料がかかってしまうという人の話も聞きます。働くよりも家にいた方が、お金がかからなかったりすることもあるとか。
2014年
5月
07日
水
■医者は「性」について習わない
梅村:本の出版やテレビ出演とか、これはどういうきっかけや思いで始めはったことなん?
宋:医療関係の相談を専門家が答えるというSNSのページがあって、そこで医療に関する一般の人の生の匿名の声に触れたんだけど、自分の前で患者さんが反応していることと全然違ったりとかするわけよね。当時、大野病院の医療事故(※)もあったけど、やっぱり一般の人たちの反応を見ると、医者に聖職者的なことを求めていたり、医療に完全を求めていたりする人たちもいた。「主治医にこんなこと言われたけど、おかしくないですか?」みたいな感じでね。もちろん、それも正直な気持ちだとは思うよ。でも、目の前の患者さん一人一人とお話をするだけじゃなくて、医療を受ける人の意識も変えないと、両者にとって良くないなと思って。それで最初は匿名でSNSやブログで、思っていることを発信するようになって、最初にそれを熊田さんが拾ってくれて。
(※大野病院の医療事故…2004年に福島県立大野病院で妊婦が帝王切開手術中に死亡。06年に執刀医の産婦人科医が逮捕、起訴され、08年に無罪となった事件)
司会:「妊娠の心得11か条」ですね。懐かしい。
2014年
4月
28日
月
この春から、新連載「梅ちゃん先生のティールーム」を始めます。元参院議員で厚生労働省政務官を務めた梅村聡さんが医療界の著名人と対談し、今だから言える本音トークをを繰り広げます。時に相手のプライベートにも触れ、かしこまったインタビューでは聞けないようなオモシロ話をお届けしていきます。
対談で最も面白かったと編集部が思った部分は、会員の皆様に隔月でお届けしている会報誌に掲載してお届けします。続きを読みたいという方、ぜひパブリックプレスへのご入会をお待ちしております。
[司会] 代表理事・熊田梨恵
―――――――――――――――――――
初回のお相手は、テレビや雑誌等でも活躍中の産婦人科医、宋美玄さん。なんと梅村さんと宋さんは大阪大学医学部の同期で、共に医学を学んでいた仲だったのです! お二人の再会シーンからどうぞ。
① 同級生だった! 梅村聡と宋美玄!
梅村:久しぶりやね~。元気やった? えらいあちこちでご活躍で(笑)。
宋:おお~、元気やで。あんたこそご活躍で(笑)。今日は娘の真美(まみ)ちゃんも同席させてもらうわ。
梅村:もちろん、どうぞ。大きくなったね~。今何歳?
宋:2歳。保育園も行ってるで~。
梅村:会うのは1年ぶりぐらいかな。宋は今、大学院行ってるんやった?
2014年
3月
28日
金
去る3月14日、大阪・蛍池の正福寺様で講演をさせて頂きました。テーマは「いのちを考える~医療の現場から見えるもの」。一般向けの講演だったので、今後の高齢社会を迎えるに当たり医療介護について何を知っておけばよいのか、何を考えておけばよいのかといったことを中心にお話しさせて頂きました。著書「救児の人々」や「胃ろうとシュークリーム」に出てきたご家族の話などを題材に今の医療現場が抱える問題をお伝えし、胃ろうについてのロールプレイも行いました。
2014年
2月
27日
木
昨年秋に大阪・蛍池の正福寺様で新著「胃ろうとシュークリーム」の出版記念イベントを開いた御縁で、今度は私が正福寺様で一般向けの講演会をさせて頂くことになりました! 「救児の人々」の新生児医療や在宅の重症心身障害児の問題、「胃ろうとシュークリーム」の高齢者の延命医療などについてお話しさせて頂くつもりです。
この講演会、正福寺様の所属する浄土真宗の近隣寺院の方々の同朋研修会でもあります。つまり、僧侶の方々に向かってお話をする会でもあり、医療者や市民向けの講演ばかりだった私には初体験です。
2013年
12月
19日
木
今年7月に出演したFM79.2ラジオ番組「月も笑う夜に~虹色トークライブ」で話した内容のダイジェストが、番組HPに掲載されています。当日話した内容が掲載されているので、ぜひご覧くださいね。
2013年
12月
12日
木
Newsweek日本版のムック『0歳からの教育』で、産院選びに関して熊田が取材を受け、コメントが掲載されています。
近年、『私らしいお産』などといった言葉で、自宅分娩や水中分娩など、様々な形の出産が注目されています。しかしその陰には、予測できないトラブルや、医療機関ときちんと連携していない助産院の対応によって、母児の命が危険にさらされるケースもあるのです。